<ジュネーブでの世界会議に参加して>
汚染地に住む子どもたちへの配慮が少ないことを訴える
----- 割れんばかりの拍手をいただき、思いが届いたことを実感
本田 歩(いわき市・福島工業高等専門学校2年)
5月19日から23日まで、国連主催の「防災に関する世界会議」がスイスのジュネーブで開かれ、福島県から私が代表として選ばれ、参加してきました。
この世界会議に向けて、国際子ども支援NGOのセーブザチルドレンという団体が主催して、会議に提出する被災地からの提言書を作成する会議が仙台で開かれました。そこに私も参加し、宮城・岩手・福島の被災3県の子どもたちで、世界に訴えたいことを話し合い、意見をまとめました。その参加者の中から三名、国際会議に参加するメンバーを、投票で決めました。投票の結果、福島県からは私が参加することになりました。
スイス・ジュネーブの国際会議場 |
スピーチを発表する本田歩さん |
私に与えられたスピーチの時間は2分。自分の伝えたい想いを伝えきるのには難しい時間でしたが、周りのサポートの甲斐あって己の出せる120%の力でスピーチに臨むことができました。
私は、福島県に住むこどもの健康が守られるように、学校は安全でなくてはならないという見方から聴衆に訴えました。
「チェルノブイリの事故時には、汚染の強い地域から教室ごと、先生とこどもたちが、年間を通して交代で保養にくることができるサナトリウムが建設、運営された一方で、福島県では汚染がまだ残る校舎で、子どもたちは授業をうけざるをえない状況にある。あまつさえ除染によって出た放射性廃棄物が校庭に埋まっている学校もある。」と例を挙げ、日本では汚染地域に住むこどもへの配慮がすくないことを述べてきました。
世界中の人々に、福島県のこどもの健康を守ってもらうために行動をしていただきたい!!とスピーチを締めくくると、会場からは割れんばかりの拍手がまきおきりました。私がスピーチを終えると、私のスピーチに共感してくださった多くの方が、握手や記念写真を求めてきました。その時は本当に感動し、涙があふれそうになるほど胸が熱くなりました。
自分の意見を誇りと自信をもって必死に発表すれば、少なくとも誰かしらには、まっすぐに思いが届く!そのことを実感した瞬間でもありました。ジュネーブでの国際会議での経験は、一生忘れられない貴重なものとなりました。
今回の経験は、福島県民の健康を守ってもらうようにこれからも訴え続けようと思っている私に、勇気と、尽きることのない力を与えてくれたように思います。私の活動を生涯後押ししてくれるであろう経験をした、そう言っても過言ではないと考えています。
原発事故発生から二年以上がたった今、福島県のこどもの健康を守るため保養などを継続して実施してくださる団体は減少してきたように思います。しかし、年月が経過したからと言って、汚染されてしまった土地に住むこどもの生活環境が向上したわけではありません。このことを日本に住む大勢の方々に知っていただきたいと強く思います。また、これを大変熟知しておられ、これからも保養活動を実施してくださる札幌協働福祉会のみなさまや、それを支援してくださっている方々にはとても感謝しております。
私が今回の会議に出るのに欠かせなかった、「自分の思いを積極的に伝える」という気持ちは、きっと札幌協働福祉会の方々などとの暖かい触れ合いがなければ育まれなかったと思います。自分の考えや、思いをきちんと理解し、支援してくれる人々に触れてこそ、「自分もなにか出来るのではないか、行動しなくてはならない」と思えるのです。これからも自分にできることを惜しまずに、札幌協働福祉会さんのように行っていこうかと思っています。
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