岩手県大槌町の安渡(あんど)地区は
壊滅状態だった。
当時、高台にある安渡小学校に
たくさんの住民が避難し、
体育館から教室まで
被災者でびっしりだった。
小学校は移転し、
3カ月過ぎて、ようやく
グランドに仮設住宅が建った。
安渡小学校 |
仮設の庇に隠れるように立っている二宮金次郎 |
大槌町のここ、安渡小学校で
私たちの被災地支援活動は始まった。
ここが私たちの原点であり、
大槌に入るときは
必ず安渡小を訪ねる。
今回も真っ先に訪れた。
私たちのワークショップに
欠かさず参加してくれたのが、
写真の小国夫婦。
ヤスさんは82歳、
ご主人は91歳。
長期化する避難生活にも関わらず
2人とも元気そのもの。
ヤスさんは
ワークショップの最中も
絶え間ないおしゃべりで
みんなを笑わす。
こういう人が一人いるだけで
仮設の雰囲気をガラッと変えてくれる。
ヤスさん曰く
「全財産を津波で失ったけど
それ以上のものを得ることができた。
それはたくさんの人と出会えたこと」
なんと素敵な言葉だろう。
仮設の玄関先に出てきたヤスさん(左)夫婦 |
私たちにプレゼントしてくれた、ご主人のつくった刺繍 |
大槌湾に浮かぶ蓬莱島が縫われている。
蓬莱島は、故井上ひさしの
「ひょっこり、ひょうたん島」の
モデルになった島。
周囲200mの小島だが
神社も灯台もあり、
大槌の漁船の安全を守ってきた。
しかし、津波は神社も灯台も流してしまい、
島を所有していた大槌町漁協を破綻させ、
いま、この島は破産管財人の手に渡ってしまった。
でも、大槌町がこの島を町の文化財として
買い戻すための交渉を始めたという。
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