道東の屈斜路湖で開催しました。
仁木町の山の家から離れて開催するのは初めてです。
山の家から屈斜路湖まで約400km。
福島から青森までに匹敵する遠さです。
北海道は「でっかいどう」です。
美幌峠 |
鈴木さんは、過去にも福島の子どもたちに別荘を
提供した度量の広い、素晴らしい人です。
24時間かけ流しの温泉露天風呂や五右衛門風呂があり、
子どもたちは毎日大喜びでした。
鈴木さん所有のモーターボートにも乗せてもらい、
湖上を疾走する醍醐味を味あわせていただきました。
屈斜路湖 |
子ども専用ルームを作ってくれたり、
子どもたちが楽しく過ごせるよう配慮をしてくださいました。
鈴木さんのご好意には感謝しても感謝しきれません。
本当にありがとうございます。
クレーン車に作ったブランコ |
小学生が13人、中学生が2人、高校生2人です。
中学生が少ないのはいつも通り、夏休みに部活があって、
参加しづらいからです。
第一回から参加して今年高校生になった子は、
ボランティアスタッフで参加しました。
女子が10人、男子7人、久しぶりに男女比が逆転しました。
草食系の男子に対し肉食系の女子、その勢いに男子から
「勝手に男子の部屋に入ってくる」など悲鳴が上がっていました。
障がいを持った子は6人、寝起きを共にすることで、
それが当たり前の日常をつくってきました。
地域別では、郡山が9人、相馬4人、いわき2人、
そして福島市1人と郡山から札幌に避難してきた子が1人です。
恒例の余市川カヌー体験 |
ボランティアスタッフで参加してくれました。
札幌協働福祉会に全面的に依拠して実施してきた事業ですが、
昨年山の家を支える会を発足させ、
夏休みから自立的運営への第一歩を踏み出し、
ボランティアスタッフの比重を高めてきました。
2年目の今回、休みなしの通しで参加してくれた2人と
途中参加の1人が大きな力を発揮してくれました。
イクミン、エリポヨと慕われた2人、
子どもたちが別れを惜しむシーンが忘れられません。
冬休みに続いて、今回も札幌の石橋胃腸病院では
甲状腺エコー検査をはじめとする健康診断を無料で実施していただきました。
全員問題なく、ホッとしましたが、
福島県では甲状腺検査の縮小も検討されており、
お母さんたちから怒りの声が上がっています。
甲状腺にとどまらない健康検査の長期的継続は必須です。
甲状腺エコー検査 |
大きく近づいた今回の「おもいっきり」でした。
最初に子どもたちに
「お客さん扱いはしない。家では食事を作ってくれる人がいたかもしれないが、ここでは全部自分たちでしよう」と申し渡しました。
そして、掃除や食事の後片付けにとどまらず、
今回は食事を作るところから参加してもらいました。
子どもたちは掃除も食事作りも、
そして後片付けも楽しんでやっていました。
プログラムを用意しないで、自分たちで何をするか
企画し実行してもらおうと考えたのですが、
今回は山の家での滞在期間が短く、
そこまではできませんでした。
でも、日々の生活の端々で子どもたちは本領を発揮しました。
ある時、男子側から「山の家で楽しく過ごすために」
と話し合いの提案がありました。
子ども会議の始まりです。
「スタッフを叩いたり、つねったりしたのを見かけた。
嫌なことはしないようにしよう」
「あだ名で呼んでいるが悪口に聞こえる。男子側としてはあだ名は嫌だ」。
女子の間での諍いも議題に。延々2時間の話し合い。
泣き出す子もいたが、スタッフは一切口出ししないで見守ります。
子ども会議 |
「楽しかったと言って別れたい」
「スタッフに頼らないで自分たちで解決したい」
「お互い言い合っても解決しない。次どうしたらいいかを考えよう」
・・・屈斜路湖に移動してからも、子ども会議は続きました。
結論よりも問題があれば話し合うというこの過程が大切。
なんと、屈斜路湖では班分けも自分たちでやってしまいました。
子どもたちの成長ぶりはスタッフの想像を超えました。
その中で、リーダーシップを発揮し、16人の子どもたちをまとめたのは
毎回参加している中学生のWくんです。
11回目の「おもいっきり」の成果はここに凝縮されています。
鈴木さんが作ってくれたクレーン車のブランコ。
誰にも言われないのに、
子どもたちはトラックの荷台の掃除を始めました。
バケツに水を汲んできて、荷台を拭き掃除 |
子どもたちはそれに応えたのです。
いろんなことを子どもたちが教えてくれた2016年の夏でした。
<追記>ブログ「山の家通信」は今回をもって、しばらくお休みします。
お読みいただいた皆さんに心からの感謝を申し上げます。
ありがとうございました。