2014年12月31日水曜日

NHKスペシャル「38万人の甲状腺検査」

26日のNHKスペシャルで
甲状腺検査が取り上げられた。

福島県は、東電原発事故当時、
お腹のなかにいた子どもも含め
18才以下の全ての子どもを対象に
30年にわたり甲状腺検査を
していくことにしている。

その1巡目の検査が終わり、
今年4月から始まった2巡目の検査で
1巡目の検査のときはA1、A2判定だった
子ども4人から甲状腺がんが見つかった。

原発事故由来を否定してきた福島県と県立医大も
事故の影響を否定するのが難しくなってきた。

ところが、その2次検査の受診率が
30%台と低迷しており、
番組ではその背景を探ることで、
健康不安を押し殺して生活する
お母さんたちの実像に迫っている。

受診率低迷の原因としてあげているのが、
福島県立医大への不信感。

わずか3分の検査時間。
検査に親は立ち会えず、
結果通知もわずか2行。
B判定でもエコー画像をもらえない。

そして、県立医大の当時の山下学長は
「放射線被曝による健康影響は考えにくい」
と頭から否定する。

こうしたことから、
「医大は住民の信頼を失った」と
番組は分析する。

そして、甲状腺検査を受けない
もうひとつの理由は、
被曝の現実から逃れたいというお母さんたちの心理。

「もうなんか疲れちゃった。
 被ばくは知らなくて生活できるのであれば、
 知らなくても良い気もするし」

「放射能のことはあえて
 考えないようにしている。
 考えることに疲れてしまいました」

大事な甲状腺検査も受けない
選択をしてしまうお母さんたち。

そこには、わが子の健康不安を抱えながら
分断され孤立し、
不安を押し殺して生活する
お母さんたちの姿が
透けて見える。

甲状腺検査を受ける子どもたち
「ボク、がんになるの?」と医師に問いかける子ども
「考えることに疲れた」と語るお母さん

0 件のコメント:

コメントを投稿