2013年11月5日火曜日

ひょっこり、ひょうたん島

311東日本大震災で
岩手県大槌町の安渡(あんど)地区は
壊滅状態だった。

当時、高台にある安渡小学校に
たくさんの住民が避難し、
体育館から教室まで
被災者でびっしりだった。

小学校は移転し、
3カ月過ぎて、ようやく
グランドに仮設住宅が建った。

安渡小学校

仮設の庇に隠れるように立っている二宮金次郎

大槌町のここ、安渡小学校で
私たちの被災地支援活動は始まった。

ここが私たちの原点であり、
大槌に入るときは
必ず安渡小を訪ねる。
今回も真っ先に訪れた。

私たちのワークショップに
欠かさず参加してくれたのが、
写真の小国夫婦。

ヤスさんは82歳、
ご主人は91歳。
長期化する避難生活にも関わらず
2人とも元気そのもの。

ヤスさんは
ワークショップの最中も
絶え間ないおしゃべりで
みんなを笑わす。

こういう人が一人いるだけで
仮設の雰囲気をガラッと変えてくれる。

ヤスさん曰く
「全財産を津波で失ったけど
それ以上のものを得ることができた。
それはたくさんの人と出会えたこと」
なんと素敵な言葉だろう。

仮設の玄関先に出てきたヤスさん(左)夫婦

私たちにプレゼントしてくれた、ご主人のつくった刺繍
91歳のご主人の作った刺繍の真ん中には
大槌湾に浮かぶ蓬莱島が縫われている。

蓬莱島は、故井上ひさしの
「ひょっこり、ひょうたん島」の
モデルになった島。

周囲200mの小島だが
神社も灯台もあり、
大槌の漁船の安全を守ってきた。

しかし、津波は神社も灯台も流してしまい、
島を所有していた大槌町漁協を破綻させ、
いま、この島は破産管財人の手に渡ってしまった。

でも、大槌町がこの島を町の文化財として
買い戻すための交渉を始めたという。

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